年別の記事

3月9日 出猟 YouTube動画

3月9日

今日は将人と次男の辰矢と地元の伊形に出猟。私の車には孫の蓮が乗っている。
 1時間半程かけて下見をする。60位の踏み足と30位の踏み足を見付ける。辰矢がヌタ場付近に入る。私は車の中で孫と二人でマーカーの声を聞く。将人がカヤを1頭引いて山に登る。この辺はスダの多い山である。294のマーカーからカヤの様子が伝わってくる。30分位過ぎた頃、カヤの床吠えが聞こえてきた。
蓮が「じいちゃん、犬が鳴き出したよ。」私は「将人おじちゃんが近づいて鉄砲で撃つから待っちょけ」と言って待っていると、追い鳴きになりまたすぐたて吠えになる。カヤの声は「ワワワワワッ」と連続鳴きである。猪がまくる様子はない。犬は猪との距離を保って鳴き続けている。5分位で追い鳴きに変わった。将人より「犬と同じ方向なので撃てなかった。」との事。猪は30位との事である。5分もすると犬が帰って来たので続きを引くとの事。
私は川沿いの土手道を下の方に下る。そこで車から降り、蓮と30分位遊んでいると、カヤのマーカーが良く聞こえだした。どうやら川向かいの尾根に来たようである。2~3分すると「ワウワウ、ワウワウ」カヤの探り声。スダの中にいる猪に探りを入れている吠え方である。すかさず、猪が鼻を鳴らして犬を追う音がマーカーから入って来た。カヤの「ウ~ワウワウワウワウワウ」と言う連続鳴きが入って来た。孫が「山の上で鳴きよる」というので、マーカーのボリュームを下げると、川向の尾根から少し下がった所で、鳴いている犬の声が耳に飛び込んできた。どうやら犬を追い回しているようである。
私からの距離約500M。将人が走り込んでる事を想像していると、いきなり無線で「やったよ!」将人の明るい声が飛び込んできた。その後、「ドーン!」と言う生の銃声が耳に飛び込んできた。蓮は「鉄砲がなったよ」と言ってはしゃいでいる。「オスか?メスか?」と聞くと、「丸々肥えたメス」との事。「4~5貫の子がいたけど犬が鳴き出したらすぐ逃げた」との事である。「猪は下りじゃから下まで引いて下りる」との事。辰矢に無線を入れこっちの方に回るように伝えた。
10分もすると辰矢が回って来た。それから10分位で将人が川のへりに猪を引いて下りて来た。辰矢がロープを持って長靴を履き将人の所に行くと、無線が入り「こら、90ばかしあるわ。腹に子が入っちょるっちゃないと?」と無線が入ったので、「かもしれん、開けてみれば分かるが」辰矢は川を渡ってこっちに来た。軽トラックで引き上げると丸々太った軽トラックいっぱいのメス猪だった。谷川で腹を開いて内臓を取出し、中を見ると4頭の子猪がいた。肉を冷やしてる間に昼食をとる。
昼食の時に辰矢が「おやじ、俺も単犬引きの犬を引きたい」との事。すると将人が「今6か月だけど、広い訓練所でスダの中にいる猪に床吠えをして、逃げれば鳴いて追う犬が何頭かいる」と言うと、辰矢より「血はどんげなっちょっとけ?」と聞くので私が「カヤの跡腹よ、それとカヤのじいちゃん、ばあちゃんよ」「あ~、じゃそれを仕込むわ」辰矢は二十歳の時から鉄砲を担ぎ、スダの中でもどこでも3代4代のラガーの子犬達を引き年間40~50頭猪を刺殺していた、名セコであった。
結婚してからあまり猟に行くことが少なくなったが、単犬引きの犬を見て人間の猟欲が湧いたようである。辰矢いわく「県外に行くと猪が大きいから、猪を獲っても犬が切られると嬉しくなかったが、これなら犬がケガすることなく簡単に獲れるから面白いわ。と言うと将人が「辰矢、鉄砲が当たらんと獲れんとぞ」と言うと辰矢は「兄ちゃん、今日のは何Mで撃った?」「猪が10M位まくって最初は猪の尻しか見えんかったけど頭をこっちに向けて、寝屋に戻りよったから、5~6Mかな」「5~6Mなら目をつぶっちょっても当たるやろ」と辰矢が言うと将人が「バカ。興奮しちょってから緊張しちょるから、そんげ簡単にいくもんか」辰矢が「犬が3頭で20貫位の牙猪を刺すのと、どっちが興奮するけ?」将人が「3頭で咥えたら猪が逃げんから、緊張するけどそこまではないわ、1頭引きの時は、当たらんかったら猪が逃げたり犬が切られたりするからね。こっちの方が何倍も面白いわ」最後に辰矢が「え~そしたら俺も来年から単犬引きをしよう」との事であった。
私も最初は猪を獲ることに醍醐味を感じていたが、今はいかにして猪を獲るかという事を考え、最高の狩猟文化を残したいと思っている。嫁さんから「孫を山に連れて行って猟の面白味を教えると勉強せんなるよ。家の2人の男の子は小さい時から山に連れて行くもんやから勉強せんかったが。」と耳の痛いことを言われたことがある。

 帰って猪の重さを量ってみると、抜いて71,8キロであった。腹を抜かなければ90余りの猪であろう。私の住んでいる地域では私が獲った中では一番大きいメス猪であった。こちらでは猟が盛んで大きくなるまでに獲られてしまう。帰って将人の撮ったビデオを見た。最初の猪は寝床から抜け50M位走った所で止めていた様であるが、将人がカヤの真後ろから15M位まで寄ったが撃てなかったようである。

15~16M位上か下から寄れば猪の視界に入らなかっただろう。犬が猪から3M位離れた所で吠えていたので、大きいものであれば将人の所に犬をまくってくるが、小さいものは逃げようとするので、犬が後1M猪に近づいても猪は逃げる。ぎりぎりの所で逃げる猪を止めているので、ああいう場合は犬の真後ろから寄らないようにアドバイスをすると、「俺もそう思ったとよ」との事であった。次に大きい猪の時であるが、動きが鈍いのでよく狙うように今日の猪は寝場から10M程犬をまくり止まった所を将人が見た時は猪の尻で猪がUターンして寝屋に戻ろうとするところを眉間に1発。
猪が崩れ落ちる時にはカヤが猪の後ろ足に食いついていた。これはUターンした猪の2~3M後ろにカヤが来て後ろ足に牙を当てようとした時である。犬はスダがトンネルになった所、猪のウジをそのまま追いかけてきて猪に牙をかけるので、猪の後ろに必ず犬がいるということを頭に置いて撃つように。今日のは猪がでかいので良かったが、小さい物であれば猪に当たらず犬に当たる時がある。とアドバイスをすると将人いわく「じゃからカヤがすぐ後ろ足を噛んじょったっちゃね。猪が崩れ落ちちょった時には噛んじょったもんね」と将人が言っていたが、いい勉強になっただろう。将人から「小さいのが逃げたけど見向きもせんかったがね」「ふて~のがおるのを知っちょるからよ」「また小さいのは早いという事を犬も知っちょるっちゃないとか?」「あ~なるほど」「そんな事は犬が自然に覚えるっちゃが」

https://www.youtube.com/watch?v=5YMdtdGQhQI
1ラウンド目

https://www.youtube.com/watch?v=BpCsZgK2m5w
2ラウンド目

 

 

 

 

 1/21 2/1出猟  YouTube動画

1月21日

地元では猪を見付けることが出来なくなったので、今日は東郷に将人と二人で鹿狩りに行く。

東郷に着き跡を見て回るが猪の跡、全く無し。どんぐりやシイの実は落ちているのにアセりは全く無し。ウジを通っているのは鹿ばかりである。犬の運動と思い、カールと今年仕込みの若雌を放して、車で林道を流す。カールは狩り込みが浅いが、若雌は薄い匂いでもあると2、300Mは抜けて行く。
2、3分すると若雌とカールが谷沿いの林道より上に上がり出した。将人は車で別の林道を上に上がり、5合目位で車を止めて待機。犬が私から離れて行く。その距離300Mを超えた。マーカーのボリュームを上げると、犬が走っている。獲物に近づいたようだ。そのうち、時々追い鳴きの声がかかり出す。先頭を走っているのは、若雌のようだ。将人より無線「高い所に持って行きよるよ。こっちに回ってきね!」「了解」私は車をUターンさせ、一旦県道に出て将人の登った林道を上に上がる。
マーカーからは「ギャンギャン」犬の鳴く声が入ってくる。途中、将人から無線が入り「9合目位から下に落としだした」との事。私はガタガタ道を車の中でピンコシャンコしながら、なおも車を飛ばす。生声が聞こえだしたので、車から飛び降り銃に弾を込める。生声は私から150M位上を斜め下に落ちて行く。将人のいる場所は大体想定出来るので、真っ直ぐ行きよるが当たるかな?と思っていると、「ドーン!」すかさず無線で「やったよ!」「犬は?」と聞くと「来て噛みよるよ」との事。私は10M離れた車に戻り、マーカーの声を聞くと、鹿が犬に噛まれて「ピーピー」鳴いている。「ビデオは撮ったか?」と聞くと、「撃ってからスイッチを入れた」との事だった。車に乗って将人の所へ行く途中「犬が疲れるから刺すよ」との事。「了解」将人は私より100M位林道の奥に居た。
犬は2匹とも車に積んでいる。「どれが先に来たか?」と聞くと、「若雌が鹿を撃って鹿が倒れ込んだらすぐ来た。それから一呼吸置いてカールが来た」との事であった。鹿を貰ってもらおうと海野さんに電話するが出なかったので、南郷のTさんに電話をした。Tさんも近くで猟をしているようである。鹿を積んで大谷に下り、腹を抜いて水に浸けた。今の犬で、もう1ラウンド。今度は将人が山の中腹を今の2匹を引いて山の中に入る。私は将人に合わせて下の田んぼのへりを車で移動する。途中「猪の跡はないか?」と聞くが「なんもない」との事。30分位進むと「犬が抜けだした」との事。将人から「200M位抜けた所で犬が鳴き出した」との事。マーカーのボリュームを上げると、若雌とカールが「ギャンギャン」鳴いてる。将人から「上を一回まわして落ち出したよ」と無線が入る。「おやじ、水清谷の入り口の橋じゃ」私は車に飛び乗り橋に急ぐ。途中、将人から無線「当たらんかった、雌鹿やった」私は車のアクセルをなおも踏み込む。橋の前で車から飛び降り、犬は対岸50M位上をキチガイみたいに鳴き下って来る。獲物が近い。川を見ると鹿が飛び出して来た。
私は車から銃を取り出すが公道で撃てない。車で橋を渡り、対岸の山から撃とうと回り込む。車を止めて川を見ると、鹿は橋をくぐり下の方に走って行く。私は車に飛び乗り国道に出て、鹿の跡を追う。橋から200M下の方に車が止まっている。私はそこに車を止め、銃を持って下りようとするが、先ほどのTさんが銃を構えて鹿を狙っているようである。すかさず「ドーン!」1発撃って車の所に上がって来た。「雌鹿じゃろが」と言うと「そうよ。あんた達の犬が鳴き落として来たとよ」との事。鹿は貰ってもらった。
Tさんの犬はハウンドでまだ対岸の高い所を追い回しているようであった。橋の所に戻ると若雌は川の縁をウロウロしていたので呼び寄せた。猟欲は強いがまだ川の中を走った鹿を付けるのは無理のようである。カールが川から将人の所に戻ったようである。昼食を済ませて、今度は私がリュウの子の仕込みの若雄とルイスを横道から車で流すから将人は橋の所に居るように指示をして行こうとすると若雌が「ギャンギャン」鳴くので将人が「これも連れて行きね」と言って私の車に積み込んだ。私は横道に上がり犬を放して車で流す。リュウの子は非常に起こしが良く、追い鳴きもかかり、足も速いので、居れば起こすと思い5分程車を走らせると、ちょこちょこ山に入っていたリュウの子が200M程抜けた。普通なら若雌も付いていくがさすがに疲れているようである。ルイスは猪なら抜けて行くが鹿はあまり抜けない。
若雄のマーカーに無線の周波数を合わせると小走りに走っているようである。マーカーから鳴きが入り始めた。私から200M離れた所で起こし上の方に上げているようである。将人に無線で「よく鳴くじゃねーか」と言うと将人から「鹿が回っておやじの方に出よるよ」との事。追い鳴きの声が生声で聞こえてき出した。足元に居たルイスと若雌が鳴きながら下って行った。若雄の追い鳴きがどんどん激しくなる。獲物に近いようである。
突然、295のブー音を付けた若雄のマーカーから鹿の鳴く声が飛びこんできた。ルイスと若雌はなおも鳴いて走っている。一呼吸すると若雄のマーカーにルイスたちが鹿に食らいつく様子が入って来た。即、将人に無線を入れ「咥えたぞ」と言うと、「のごつあるね、上に上がるわ」との事。私は車をUターンさせ鹿の生声が取れる所までバックした。車から降りてちょっと待つが下の方に落ちて行く様子もないのでビデオカメラをポケットに入れ下に下って行った。現場に着くと3匹の犬に噛まれた鹿が横たわっていたが、鹿の左前足が網の底に掛かっていた。どうやら若雄に追われて逃げる鹿が上から鳴きながら下って来る犬の声を聞いて、まごまごしている所に若雄が追いついてきて、上に上がろうと来た時に網に掛かったのであろう。
私が着いて止めを刺すと若雄はすぐに離れ若雌がルイスにうぜったので大声で「こらっ!」っと言いながら2、3回叩き回すと獲物から離れた。犬が獲物から離れると鹿は10M程下に滑り落ちた。そうこうしていると、将人が「こめー雌じゃね」と言って下って来た。将人に「上で犬を呼び上げろ」と言って私は南郷のTさんに無線で「また獲ったよ、犬が咥えた」と言うと「凄いね」と言っておられたので、「まぐれ、まぐれ。犬の餌にしない」と言うと「目印を付けちょって」と言うので目印を付けて帰路に着いた。途中、Tさんの所に寄ると先ほど鹿を撃った所でハウンドを呼んでいた。場所を教えて帰る途中、原田氏に電話をし、最初獲った鹿を川に浸けてる場所を教えると次の日に獲りに行くとの事だった。去年まで行った私たちの猟場には猪はほとんど見かけなくなった。「新たな猟場を開拓しなくては、、、」と将人と話しつつ帰った。

YouTube動画 上記クリックしてください

 

 

2月1日

 今日は朝8時頃から将人が伊形の山に猪の跡を見に行った。11時頃帰って来て谷々には跡がないが、山の中に入ってみると40位の歩いた跡があると言ってカヤを連れて行った。2時間位して私が工場から電話をすると5、6回呼んだ後留守電になった。私はカヤが猪を立てちょったっちゃないかと思い、その後は電話をしなかったが15分位して将人から電話。開口一番「なんけ?猪をたてちょったから寄っちょったっちゃが!」「猪は?」と私が聞くと「逃げた」その言葉が言い終わらないうちに将人より「止めた、止めた!切るよ」と言って電話が切れた。それから30分位して「獲れんかった」と電話があり1時間位で帰って来た。早々にビデオを見ると撃つチャンスが何回かあったようなので「カヤが止めて絡んだ時は、普通のたて犬と違うし連続で鳴くので猪とあまり離れてないので5、6M位猪に近づいて撃て」と言った。「大きいものであれば犬をまくって追い回すから撃ちやすいが、小さいものは逃げようとするので、なかなかスダから出てこないが、そういう時は犬が接近して吠えるので、猪は犬に気を取られ声を出さなければ少々の音がしても猪は気が付かない」とアドバイスをした。

その様子は動画を見てもらえれば分かると思う。

YouTube動画 上記クリックしてください

 

2014/1/4 1/5出猟

1月4日 今年初めて伊形に出猟。

 川野君と将人と私と山本さんと辰矢の5人、引く犬はカールとルイス50~60の足跡を見付け将人が山を引く。30分位引くといきなり追い鳴きを始めた。2分程追廻して私の居る谷に追い落としてきたが、獲物を確認出来ず犬を止める。将人に犬を呼ぶように指示する。私から将人まで約300M。笛の根がかすかに聞こえる。カールとルイスは将人の方に走り上がって行った。

 2~3分すると将人より無線「犬が帰ってきたから続きを引く」との事。私はそれより100M奥の林道沿いに車で待機。しばらくすると犬が鳴き出した。すかさず「ドーン!ドーン!」一呼吸置いてまた「ドーン!」将人より無線「猪よ、猪。50位の猪。真っ直ぐ山本のおじちゃんの方に落としよるわ」との無線。私は「当たらんかったか?」と無線を入れる。「分からん。スダの中でチラチラするのを撃ったから」との事。「了解」

 また将人より無線「おやじ前に出ね、前に。途中から尾を前に出しだしたよ」私はそれには答えず車に飛び乗り飛ばして前に出る。途中、山本さんを通り越して100M位過ぎた所で、車から飛び降り山を見上げる。この山は人間の手のように尾根が何本も出ていて、谷に入ると犬の生声が取りにくい。そう思っていると、かすかに生声が聞こえだした。

 カールとルイスが火の付いたような声で追い鳴きをしている。どんどん近づいている。将人より無線「おやじ、もっと下に行った方がいい。あと200M位下に行って!」下に行こうと思い、車に乗り無線のボリュームを上げると、マーカーよりルイスのたて吠えの声「ワウワウワウワウワウ」「ワウワウワウワウワウ」私は車から飛び降り、生声を確認しようと山を見上げると、70M位右斜め上で犬が1匹たて吠えを掛けている。声はルイスである。カールの声は聞こえない。おそらく噛んでいるようである。

 すかさず将人に無線を入れる「弾が当たっちょったはずやが、咥えたぞ。弾が当っちょらんなら2匹とも吠えよるはずじゃが。カールが吠えてないという事は、どこかに弾が当たって猪が弱っているはずじゃが」将人が「ハアハア」言いながら「今行きよるとよ」しばらくすると「あー着いたわ。猪は50~60の雌猪。弾は前足の爪と下腹を打ち抜いちょる。刺すよ」との事。

 川野君に無線を入れ「すぐ来るように」と指示を出す。山本さんに無線を入れると「どんげなったけ?」と聞かれたので「獲ったよ!出て来ね」「了解」との事。そうこうしてると、川野君が来たので将人の所に猪を引っ張り出しに行ってもらった。山は木立藁とスダで下からは登りにくい山であるが、しばらくすると将人と2人で引っ張り出して来た。あとは辰矢が長靴を履いてロープを持って対岸に渡り、猪に繋いで引き上げた。猪は60位の雌猪である。

 

 

1月5日今日は山本さんのグループの応援に北方に出猟。

途中、川野君と合流。山本さんのグループは高齢の方が多く、猪の引き出しに大変だろうと思い、昼まで川野君に応援を頼んだ。

 現場に着き、3人で跡見をし、将人は山の上の高い所を見る。私と川野君は谷々を見て回る。途中、川野君より無線が入る。「50~60の猪と100K級の猪がヌタ場を歩いている。生かどうか分からないので、見て欲しい」との事。私は川野君の所に行って足を見ると、1日前の様である。

 30分くらいすると将人より無線「林道の高い所をずっと餌を取って歩いてるわ」との事。「今歩いたような跡じゃがね」私は「車の音をあんまりさせんで下りて来い」と指示する。ここら辺の猪は小さい時から、しょっちゅう追われているので、100K級というのは珍しいし知恵が付いているので、将人に「あんまりウロウロしないように」と言うと30分位すると将人が下りて来た。

 私が車に積んでいるカールとルイスを将人の車に積み先ほどの林道に入って行った。私は残ったリュウを車から降ろし、トイレをさせマーカーを付けて車に積んだ。山本さんから無線「どんげするけ?」私は「たかずくを引くが。いま将人が犬を積んで上がった」山本さんより「なら、うちのメンバーは北側をはっちょくわ」「了解」私と川野君は南側に移動した。

 しばらくすると、将人より無線が入り「生跡のある所に来たら犬が鳴き出した。どうしようか?」というので犬を放すよう指示する。298の周波数に合わせると、犬の鳴いている様子と、車から犬を放す様子が伝わってきた。将人より無線「鳴きながら奥の方に行きよるわ」しばらくすると将人より「犬が林道から山の中に入って行った」との事。私からはマーカーが取れない。「鳴きよるか?」と聞くと「時々鳴きながら山本さんの上を通って前の方に出よるよ」との事。「おやじ前に出た方がいいわ」と無線が入る。私は車に乗り、前に出る。

 しばらく前に出ると、マーカーから追い鳴きの声が時々入ってくる。車を飛ばして北側に回る。将人に犬の現在地を聞くと、「山本さんたちの居る山を通り抜け、前の方に出てる」との事。私は朝、踏み足のあったヌタ場に急ぐ。車から降り山に入る。弾を込め、ヌタの近くにしゃがみこむ。犬までの距離380M。

 じっと待っていると、右上から左の方にスダの中を「カサカサカサカサ」犬が移動している。私の前、30M位にスダの中を犬が抜けて行った。私が入ってからは、獲物の通る音は聞かなかったので「大分距離が離れている」と思い、車の所に走って戻り、車から100M位奥に入ると、休耕田のやぶの中を犬が走りながら、左の方に移っている。私はカールとルイスの通った後に行き、獲物の足を探すと、7貫位の足と100K位の足がカールとルイスの行った方向に向かって付いている。よく見ると猪の付けた足跡の上に犬の足跡が付いている。間違いなく猪を付けているようである。

 将人に無線を入れ「猪を追いよるぞ。林道に跡を出しちょったやつじゃ」将人より「了解。今、川野さんの近くに来た」との事である。私は車を飛ばして南側に向かった。途中、将人より「7貫位のを獲ったよ」と無線が入る。「犬とえらい離れてるけど、この猪をつけちょったったちゃろうか?」私は「そうじゃが、そんなに何頭も猪がおるもんか!ふてーやつが後で出るかも知れんから見ちょけよ。おまえが最初跡見に行った時に、車の音で気づいて抜けよったっちゃが」と言いながら車を飛ばして、私も2~3分で現場近くに着く。

 川野君と将人の車を発見。奥に川野君、その前に将人。その前に私は車を止め、30M程山に入る。ちょっとすると、カールとルイスの鳴く声が車の無線機から聞こえてきた。私は慌てて車に戻り、無線機の音量を下げる。と同時に、周波数を295に合わせ、リュウのマーカーが入っているかを確認する。それから銃に弾を込めヌタ場の所へ戻る。おそらく右から来る。ヌタ場に真っ直ぐ来れば撃ちやすいが、20~30M上を通ると、スダがパラパラあって見えにくい。

 そう思った瞬間、右の方から「バリバリ」という音が聞こえてきた。「来た!」と思った瞬間、30M前のスダの中を飛ぶように抜けていく猪をめがけ、私の上下2連が火を噴く。猪は何事もなかったかのように、将人の方に走って行く。私は車の所へ飛んで帰りリュウを放す。将人より無線「猪はふてーとけ?こめーとけ?」私は「大判よ」将人から「了解」リュウは谷を駆け上り、矢のように猪を追っていく。

 295のリュウの周波数に合わせ、ボリュームを上げる。リュウの連続鳴きの追い鳴きの声が無線機より流れてくる。「ドーン!」次の瞬間「ワワー」というリュウの噛みに行く声。猪の「フッ」という声が入ってきたが、将人からは何の連絡もない。緊張の一瞬である。マーカーから流れる音に耳を傾けると、猪の「フーフー」と言う音が入ってきた。リュウは間違いなく猪を咥えているが、将人から何の連絡もない。「リュウが咥えちょるじゃねーか」と将人に無線を入れる。将人から興奮した声で、「咥えちょるから撃てんとよ!」ちょっと間を置いて「ドーン!」数秒して「ドーン!」将人から無線で「やったよ!」「犬は切られんかったか?」と聞くと、「猪を咥えたまま谷に落ちた。おそらく3回程猪がしゃくったから切られたはず」との無線が入る。

 リュウのマーカーを聞くと、盛んに猪を噛んでいるようだが、川野君が下りて来て、将人の所へ向かう。将人より無線が入り「リュウの首に穴が2つ開いてる、血が止まらんからおそらく静脈を切られちょるわ」との事。猪の牙が根元まで入ると、傷口は小さくても中はぐちゃぐちゃである。穴が2つ開いているという事は、牙が入ったという事。もう一つは、牙の先が出たとこである。そうこうしていると、将人がリュウを抱いて下りて来た。

 川野君の首に巻いているタオルを借りて、将人が傷口を抑えている手を離すと、血が激しく流れ落ちた。そこにタオルを当て、伸び縮みする包帯を10回程巻くと血は止まったので、リュウを私の車に乗せた。今日は日曜で病院は休みである。臼杵の病院に電話をすると、運よく先生が電話に出てくれた。「どこから?」と聞かれたので「延岡から」と答えると、「今から2時間半位ですね」「お願いします」ほっとして、タバコに火を点けた。

 将人に「ビデオを撮ったか?」聞くと「慌てていてスイッチを入れる間がなかった」との事である。「俺が猪を見付けた時に、スイッチを入れるように言おうと思ったけど言えば良かったね。どんげじゃったっか?」と聞くと、「リュウの10M前を猪が飛んで来たので、撃つが当たらず「あらあら…」と思っていると、リュウが猪の後ろ足を咥え、猪がグルッと回って猪と犬が向かい合い、猪が犬に突進すると、リュウがそれを交わして右耳を咥える。体をピタリと猪に付けたので銃が撃てず、まごまごしていると、猪が犬を杉の木に押し付け、犬と猪が一直線になった。その瞬間、心臓めがけて撃つがどてっぱらに当たり、猪が3回程しゃくったので「犬が切られる」と思い、「心臓に突きつけて撃った」との事。

 猪が崩れ落ちた後、リュウが咥えた口を外さず、谷まで落ちて行ったので、あまり深手は負ってないと思ったが、現場に着くと、耳を噛んでいるリュウの首から血が噴き出しているので、慌てて犬を止めた。との事である。その後すぐカールとルイスが来たので「リュウを外さなければ簡単に絡み止めた猪じゃったのに」と将人から苦情を言われた。その後、将人はリュウを積んで臼杵の病院に行き、山本さんに「獲ったよ」と無線を入れ、加勢に来てもらった。川野君と現場に行き、川野君が猪を引っ張るが、一人ではピクリとしか動かせない。山本さんのグループより「いっぺんに両目が開いた」とお礼を言われた。

返す返すもユーチューブに動画を載せられないのが残念である。