狩猟日記

2011.11.20 北方出猟

11月20日
今日は山本氏のグループの加勢で北方に朝8時に集まった。一通り見切りをして、尾根からスーパーハウンドを2頭放す。匂いを獲ってどこそこ鳴きながら山を刈り込んでいく。

この犬は2頭入れると10貫ぐらいまでは咥え、それ以上は立てる犬である。この山の猪は非猟期中によく犬から追われているので、逃げ方がうまい猪が多い。しばらくすると追い鳴きが始まった、耳立ちと同じようなスピードで追い落として行く。足は雄のゴーの方が少し速い、雌のイケは少し遅れて鳴いている。10分程追跡をするとゴーの方が50mぐらい速くなったようである。それからまた5分ゴーの声が激しくなった。どうやら猪が立ったようである。ゴーの声が低く大きくなった。GPSを見ると犬がくるくる回っている、そこにイケがどんどん近づいてくる。イケの声が激しくなった。ゴーの止め鳴きが追い鳴きに変わった。JAの牛小屋の方に落ちて行く。私は車を飛ばして反対の部落に回る。犬に慣れた猪は犬が1頭の時はまくっているが、そこに犬が鳴き込んでくると猪は走り出す。道上20mぐらいを起こしたほうに向かって走っている。

将人より無線「けんたき、けんたき」
けんたきの前に牛の糞を積んだ谷があり、そこも弓場である。犬はその手前まで来ている。私はけんたきで車から飛び降り、銃に弾を込め、しばらく待つ。GPSを見てみるとこちらの方に追って来ているので、耳に入れているイヤホンを外し、生の声を聞こうとするが聞こえないのでGPSを見ると犬の動きがおかしい。犬のマーカーのボリュウムを上げて聞くと「ギャンギャン」と言う声が入った。

将人から無線「犬の動きがおかしい、猪を止めているか罠か。」
との事。私は車に飛び乗り一つ前の谷に急ぐ。マーカーの声が鮮明に入ってきだした。40キロぐらいなら咥え、大きい物なら立てる犬である。「ギャンギャン」言うこえはまず出さない。車で走り込むと、ぬたばの奥50メートルぐらい車道から10メーターぐらい上で、2頭の犬が30メーターぐらい離れてゴーは右後ろ足を、イケは左前足をワイヤーで縛られている。やっとのことで2頭の犬のワイヤーを外したが、安全止めもなくまったくの違反罠であった。ビデオで罠を映したが、犬は2頭ともびっこうを引き罠の激しさを物語っていた。罠に掛からなければこの谷で止められるかけんたきで私に止められるかであったろうに運のイイ猪である。

第2ラウンドは、大月氏の犬アカと私の10月生まれの2頭と7歳の親犬チビとを林道の終点から、将人が引くようにする。しばらくすると、
将人の「起こした起こした」
マーカーを入れると4頭の犬の「ワンワン」と言う追い鳴きの声が無線を通して入ってきた。少しすると猪の「グーグー」と言う声が入ってきた。
すかさず将人の無線「咥えた咥えた」
無線を聞いていると、「ギーギー」猪の鳴く声。
私が「子猪か?」将人「そうよ」
しばらくすると将人が現場に着いた。「いい仕込じゃ、20キロぐらいの猪」
との事であった。
今日これで1日が終わった。


北方の山にて
仕込み犬3頭・親犬1頭 20キロ位の子猪

2011.11.17 仕込みの子犬/山口県大杉さん出猟日記/福島県下重さん報告

11月17日
今日は朝から門川の原田氏が昨日捕ったメス猪の解体に来てくれた。

昨日、オス猪の解体中に山口県の大杉氏より電話があり、130キロ台の大猪を捕ったとの事。
最初はメス犬を引くが産後で動きが悪いためオス犬と2頭で狼狩りで引く。
オスは猟期前に我が家に連れて来られた。スダばかりの山に20貫クラスのキバ猪を入れており訓練の最後の仕上げは犬をここに入れてみる。猪に接近しすぎると一発で切られる、噛みに行くと十中八九犬は重症を負う、そこに大杉氏の犬を入れてみた。山口県の山では単犬で猪を吠え止めする犬であるが、私が聞いた限りでは少し猪に近づきすぎるようなので少し犬をいじめてやろうと思い入れてみた。最初は大杉氏も犬も大スダで驚いていたが、犬は右に行ったり左に行ったりしながらスダの中に入って行った。低い声で「ウォウォ」と鳴き始めたが、30秒程しか声が続かなかった。猪が一度も犬をまくらなかったがこれは犬が用心して猪から離れて吠えているからである。次に2000坪の山に猪を放し飼いにしてある訓練所に行った、ここには120キロクラスの猪が入っている。ここは竹藪と小立の密集した場所であるが大シダ程ではないところである。そこに大杉氏の犬を入れてみると猪を見つけ吠え出した。猪がまくっても捕まることはなく、40分程吠え絡んでいた。犬を捕まえるのに苦労したが、良い犬である。大杉氏に「大きい激しい猪に単犬で実猟で当てて下さいと。」伝えた。

このオス犬ハチとメス犬ナナ2頭で引いているとカズラゴソの中で吠え始め、大杉氏が近づき見るが猪が凄まじい勢いでまくり倒すが藪で近寄れない。しばらく犬と猪の戦いを見ているが撃つチャンスがなく、大体良しで撃ったところ猪がはんやになったところに犬が飛びかかり切られたようである。これはやばいと私が以前言った「一発で頭を打ち抜きね、でないと犬が切られるよ!」の言葉を思い出し今度は犬をまくって来たところを一発で仕留めたそうである。普通単犬で寝床吠えしている時は、鉄砲を撃ったら猪は逃げる。しかし2頭で絡んだ場合、片一方をまくるともう一方は猪に牙を当てるのでまくる距離が単犬の時の様に猪は犬をまくらない様で、鉄砲を撃っても大猪はあまり逃げない様である。後は4人でやっと引き出したそうである。次の日に、ナナを病院に連れて行ったとの事。こんな犬を譲って頂いてありがたいと言う電話であった。今後が楽しみである。

11月18日
大杉さんから手紙と写真を頂いたので、全文をそのまま掲載させて頂く。

ラガー総家 松田様
先日はお世話になりました。御陰様で、犬(ハチ号)の器量や要領がある程度わかりました、松田さんが言われるように20貫以上の大猪、犬を小馬鹿にする大物に単犬であててみたいと思います。新しい訓練所、良いですね、私たちの山はあんな大きなスダは無いので犬もビビり、追い出すことができませんでしたが、今シーズン色んな経験を重ね、大スダの中でも対応出来る犬にしたいと思います。子犬もある程度体が出来、こちらで訓練を終えたら連れて行きたいと考えていますので、その時は宜しくお願いします。 23年10月29日 大杉

ラガー総家 松田様
今シーズンは空山が多く中々猪の当てられません、広島県が解禁になり16日は仕事が定休日なので、4人で手分けして探すが、
全然跡がなく夏頃の痕跡も全くなく、こんな事初めてです。
2年前に牝犬が初めて切られた山に行くと、道路側には堀はないが、獣道が多少スレがあるので、小物でもいるのかと思い、牝犬1匹入れ狩り進が犬の足が余り進まず、11月7日に一度鹿を起こしたが、すぐやめ、まだ産後の影響かと思い、牡犬も下で騒ぐので解放して貰い2匹で進むと牝犬の鳴き声で始まり、牡犬も激しく吠え地響きする攻防、ビデオと思い、これがバッテリー切れ、新銃で近寄ると、蔦カズラのブッシュの中大物の様だが余りよく見えず、2匹でなのか牝犬が近寄り過ぎ、悲鳴が聞こえるので早く撃たねばと、私も焦りがあり急所を外し、また悲鳴の後も鳴いているので行くと、手前が犬で撃てない、しばらくして止め矢をかけ、牝犬を見ると左モモ上が破れて、垂れ下がっているので獣医へ・・・・
物はご覧のとおり大物でした、計量は計りがないのでしてませんが、3人がやっと抱え(ワタヌキ)解体台に乗せました、120~130キロはあったと思います。
自分の犬でこんなビックゲームを獲る事が出来たのも松田ファミリーの御蔭です、何より良かったのは牝犬の怪我が軽かった事です。牝犬はしばらく休めます、私の心の焦り反省しています。取り急ぎ報告します。
23年11月17日 大杉



この位の猛猪を1・2頭で長時間寝屋で止める犬は名犬の部類に入る。これが本物の猪犬である。大杉さんの体重は80キロ

福島県の下重さんに1月1日生れのメスを5月に送らせて頂いた、「良い仕事をしてます、来年春にスーパーハウンドの子犬は産まれませんか?」とお電話を頂いた。

さて昼から「山に親犬を連れて狩りに行こうか」と将人に言うと、「もう猪は獲らんでいいわ、もっと脂がのってから獲ろう。」と言うので若犬を3頭連れて仕込みに行った。リュウを私が車に乗せると将人がなにか言いたそうだったので、「猪を止めて喧嘩になって子犬がやられるとかわいそうじゃが。」と言い連れて行った。10貫クラスと50キロぐらいの踏み足を見たが小さいのをやることにし、大月氏のアカと10月生まれの子犬3頭引いて将人が山に登る。スダ山を引いているが良く捜査をしているようである。普通スダ山は犬が入りたがらないが、これも訓練の成果であろう。将人が「おらんわ。」といいながら2時間程犬を引きまわす。「反対の山を引いてみるわ。」と谷に降り奥に進んでいるようである。そのうち犬が一声二声鳴いた、後は無言で走っている。1分程して時々犬が鳴き出した、そのうち本鳴きになり、将人より「室小屋、室小屋。」と無線が入る。私はその時はGPSを見ながら、車で走る。「もしかすると道に落ちてくるかも。」リュウを放そうかと思っていると車の中のリュウが「ワンワン」鳴き出した。GPSを見ると車の上100メートル位に犬が来ている。車のエンジンを切ると追い鳴きの声が聞こえてきたが、奥の方に回っているようなので私も奥に車で行くと犬は1回ぐるっと円を描いて声がしなくなった。しばらくすると犬は追って来たところを帰っているようである。私も車をUターンさせて将人のところに車を走らせていると、リュウが鳴き出した私がさっき車を止めたところである。将人の所に向かっていると手前の谷で子犬が出てきているようなので、笛を吹くと走って戻ってきた。そのまま走らせて将人の所まで行くと、犬もセコも林道に出てきた。それから将人を車に乗せさっきリュウが鳴いたとこまで犬を走らせていくと、反対の山に犬が走り上がって行った。どうやら獲物はここを通ったようである。一度回って逃げると言う事は鹿かもしれない。と思いながら、犬を走らせて奥に行くとあせりがチラホラ出てきた。広場があるので車をUターンさせ、帰ろうとするが大月氏のアカが居ない。GPSを見ると200メートル程上に、林道づたいに上がりそこから山の中に入っている様である。将人が「起こすかも。」と言うので、GPSを見ながらアカのマーカーの音量を上げるとカサッとも音がしない。GPSを見ると犬の座った絵が出ている。「スダの中に獲物がいる時に鼻を使いながらよくこんな仕草をする犬がいる。」そんな事を将人に話していると、「ワゥワゥ」少し間を置いて「ワゥワゥ」私が「猪じゃ。」と言うと将人は鉄砲を持って飛び出した。後はアカの追い鳴きの声である。「ワゥワゥ」将人より無線「落としてくるかもしれんよ。」少しして将人について行った犬の追い鳴きの声が生で取れた。「咥えった咥えた。」将人より無線。アカのマーカーを聞くと追い鳴きの声が激しくなってきた。GPSを見る咥えた犬とアカの位置がひと谷違うようである。アカのマーカーに猪の「ふーふー」言う声が入って来た。「咥えた咥えた。」私が将人に無線を入れる。どうやらこれが親である。リュウを放そうかどうか迷っていると、アカが吠え出した。また猪が鼻を鳴らしてまくる音が聞こえた。またアカの吠え声、20秒程続いて犬の吠え声が止まった。2頭の犬が猪を鳴かしている所に行ってアカも子猪を噛んだようであるが、アカにもう1頭どれかが付いて行っていれば完全に止めたであろうが帰ってきたアカを見ると左のアバラの切れた辺りに猪から噛まれたみたいに毛と皮が剥けていた。アカにとっては良い勉強になったであろう、いつまでも噛んで離さないと単犬では猪に勝てないと言うことが。
以上


子猪を咥える子犬
この時アカは単犬で親猪を止めて喧嘩中
写真の犬は10月生れの仕込み犬
この2頭で10貫位までなら楽に止める

2011.11.15〜16 宮崎県出猟 

11月15日 火曜日
今日から宮崎県の狩猟の解禁である。
私とセコの将人と川野君と3人で出猟。日之影町に行く。
20貫クラスの跡を見つけたが、道の上か道の下か分からないので、10月で1才になった若犬2頭と、8歳のサム3頭を引いてセコが道下を横に引く。
サムは寝床に鳴きこんでいくタイプなので、猪が寝床から飛び出す。それを足の速い若犬が追い鳴きをかけながら追い、絡める。絡み止めるという事を考えての放犬であるが、心配なのは若犬が寝床までサムに付いて行くかどうかである。
そんなことを考えていると、サムが鳴き出した。
斜め下に追っていくが、GPSを見ると若犬との距離が100m程離れている。
山はヤブの多い山で、すけた山ならすぐに若犬がサムに追い付くが、それができないようである。
サムが、私のいる道下70m位を入れた放に円を描いて上がってきた。
私がつけて回ると、メス鹿が前方50m位の所を道を切って上に上がった。
サムはそれを付けて鳴いて追っているが、若犬は2分程して道に出てきたので回収。サムはその後、10分程して戻ってきた。
セコに若犬2頭引いて、もう一度犬を引き直すように指示した。
約30分。「歩いた跡はあるが、あせりがない。」との事。
道の上に寝ているかもと思い、セコを道の上に呼び上げた。
若犬2頭は、初めての実猟で興奮しているようだ。
次に、川野君の寝や止めの犬を道路を引いて下に出るように指示すると、15分くらいして何か臭いに付き、道上に上がったとの事。
しばらくすると、200mくらい上で犬が鳴き出した。
いきなり追い鳴きになる。「鹿か!?」と思うが、GPSを見ると1回クルっと回って、反対側に落ちて行った。
1回国道高千穂線に出て、1キロくらい奥を入り込まなければならず、無線を入れると、将人がそっちに回っていってるようだ。川野くんにも指示し、回る様伝える。
山の尾根に出ると、門川のグループがやっていた。道に犬が5.6頭出ていたが、聞くと「大物を立てていたけども逃がした。犬が切られて深手を負った」との事である。どうやら噛み犬のようである。
少し下ると、若い兄ちゃんが鉄砲をかついで林道を走りあがってきた。「疲れるどがー。」というとハーハー言いながら「大変ですわー。」といって上に走り上がって行った。
また2.3人上がって行った。おそらく、猪の立て場に走りこむ様子では、皆がGPSを使ってやっているのであろう。
私も川野君の犬を追って行くと、将人より無線が入り「今、川を鹿が切った」との事。
川野君の犬も田んぼまできたが、後帰ったとの事。
川野君に無線を入れ、入れ足に帰るように指示。約30分、犬が帰ってきたとの事。
山を変えるから、下りてくるように指示した。
次は、たんすけの山を狩ることにした。
1日2日前の足はあるが、新しいものはない。少しの望みを持って上から下までセコが引き下ろす。
犬はリュウ、ベス、茶。我が犬舎の1軍である。起こせば100%に近い確率で寝屋付近で咥え止めるが、山は空山であった。

次は曽木に行く。
牛小屋の横に7、8貫の跡を将人が見つける。
上からかけてくるので、川野君を下から50mくらい上げる。セコが山に犬を入れる。
しばらくすると、川野君より前をリュウが通って行ったとの事。50m位先を、スダの中で2声低い声で「ワォワォ」、その後追い鳴きになり、10秒後にリュウが猪を咥えた。川野君より興奮する声。「リュウが咥えました!」川野君が走って現場に行くと、下の畑の上で、リュウ、ベス、茶の3頭で咥えているとの事。将人がそこへ走り込み、刺し殺す。
噛ませると、犬が疲れる。その模様を川野君がビデオで撮ったようだ。
川に行き、腹を抜いて肉を冷やす。猟歴5年の川野君は、興奮冷めやらぬようで、ビデオで見せたり、その時の状況を話していた。
これで今日は終わり。(写真はまだ頂いていない)

11月16日 水曜日
20貫クラスの猪が入っているとの事なので、沖田ダムを狩る。
ベスを1頭引くが、猪が早立ちし、7・8貫の猪を追い回し、道を切られる。ベスは、走り出した猪を止めるのは確率が悪い。
次は川野君の犬を入れる。鹿を追い回し、伊形の方に行ったとの事。GPSを見ると伊形の方に行っているようなので、20分かけて車で回る。
伊形に行くと、パラパラ跡がある。川野君の犬がGPSに入ったが、追うのをやめて帰っている様である。
無線を入れ、伊形の方に回ってくるように指示する。
伊形で昼食を摂って、将人が跡を見て60位のと、もうちょっと大きい踏み足があるとの事。

ベス1頭を入れると寝床で吠えるが、若犬を入れて下に落とそうと思い、2頭引くようにする。
川野君は途中のヌタ場に下り、将人が犬を引いて行くと、左上の方に犬が抜けて行った。もしかすると尾根の反対側に寝ているのかも、と思っていると、ベスの低い声で「ウォゥ、ウォゥ」2回スダの中にいる猪に探りを入れて吠える声である。猪がまくると、この声が激しくなる。
そこに、若犬が鳴きこんだ。追い鳴きになり、将人のいるところにまっすぐ落としてきているようだ。犬の声からして、猪とあまり離れていない様である。「止めるか?!」と思っていると「ドーーン!!」と1発。「やったよー。」将人の自慢気な声が無線から入って来た。すかさず、川野君より「おめでとうございます。早かったですね!」との事。聞くと猪の後、20m位離れて追ってきたそうである。
下から入れて、下に落としてくる。これも芸のひとつであろう。撃たなければ、この谷で絡み止めである。その猪の腹を抜いている時、将人に「さっきの猪はメスだから、子がおるかもしれんから、大月さんから預かった子犬アカ(11月3日生れ)と、イチ(12月3日生まれ)クマ(1才8か月)チビ(4才)を引いて今獲った谷を引いてみよ。」と指示をする。

私と川野君は、猪の内臓を出して川につける準備。
しばらくすると、若犬が猪をひっぱりだした臭いにのって、川まで下ってきた。私から怒られて、将人の呼ぶ笛の方に上っていった。内臓を出して、肝臓・心臓をはずし川野君に袋をとりにいくよう指示。すると、上のほうで犬が鳴いている様な気がした。2・3秒ほどして、将人より無線。「猪じゃ!猪じゃ!お父さんリュウを放しね!」と慌てた声。
私が車の方に走っていると、川野君がニコニコして袋をぶら下げてきた。
「鉄砲!鉄砲!」私が叫び、車の所に行き、チビの付けているマーカーに周波数を合わせGPSを見ると、チビの止めた絡み止めの声が響くと同時に将人より、「止めた!止めた!チビが止めた!」すかさず鉄砲の音。「逃げた!逃げた!」10秒位して、「咥えた!咥えた!そのまま上に上がってきね!」普通なら通れない道であるが、車を飛ばして上がって行くと、咥えてる猪の後足を将人が掴むところであった。
私が車から降りると、後足を握って猪をねじき伏せた。さすが元重量級の柔道の選手である。そこに川野君が走りこんできた。「社長すごいですね。ビデオとってもいいですか?」との事。「撮れ撮れー。」私もポケットからビデオを取り出してしばらく映し、刺し殺す。

将人の話を聞くと、12月3日生まれのイチが200mくらい上のスダの中で、ワゥワゥ鳴き出した。と、そばにいたクマが最初走りあがった。そのあとを大月犬(アカ)とチビが上がった。クマがイチのそばにいき、猪とのケンカになる。まっすぐ下に落ちてきた。猪はセコの10m上のスダの中を横に走る。若犬は谷に飛び出してきた。チビはさすが親犬。猪が将人に気付いて谷に出る前、右の方に向きを変えたのをそのまま追い、20m下で立てる。将人が行って、鉄砲を撃つ。猪が逃げる。また止める。そこに若犬が3頭行って咥える。将人が咥えられ、谷に落ちてきた猪の後足を握る。川野君曰く「おめでとうございます。大猟ですね。子犬がこんな仕事をするなんて。」との事である。将人曰く、「これが普通です。」犬のレベルの高さをアピールしているようだ。猪の腹に将人の撃った鉄砲が1発あたっていた。寝床で立てていたイチは、腹と前肩を切られていたが皮1枚である。クマが前足と首と肩を皮1枚であるが、5cmほど切られていたので、アロンアルファで付けた。 以上。
ベスと若犬で60キロメス


写真手前から黒のチビ4歳・その上クマ1歳8ヶ月
隣大月さんのアカ11月3日生れ
将人横12月3日で1歳のイチ


手前18貫のオス牙猪
後ろ60キロのメス
90キロの将人